レーザー学会技術専門委員会
「レーザーのカオス
・ノイズダイナミクスとその応用」
 
  1. 箇条書き項目 背景

1960年のレーザーの誕生とほぼ同時期(1963年)に発見されたカオス現象は、1975年の H. Haken による理論的予測によりレーザーにおける決定論的不安定不規則出力振動として多くの注目を浴びました。1980年代にはレーザーカオスの発生方法や原理の研究が盛んに行われました。1990年代に入るとカオスの制御技術や同期技術が生み出され、レーザーにおいても多くの制御・同期技術が開発されました。2000年代には光秘匿通信への応用が盛んに研究され、特にヨーロッパにおいて商用光ファイバ網における実証実験が2005年に達成されています。

 また、2000年代後半から2010年代にかけて、レーザーとカオスの特徴を利用した新たな工学的応用が提案・実証されています。例としてレーザーにおける時空間不安定出力制御技術やTHz発生、また高速物理乱数生成や新たな情報セキュリティ技術への応用、多重通信への応用、光量子カオスデバイスの開発、グリーンフォト二クスへの応用など、従来の既存概念にとらわれない新たな発想に基づく萌芽的技術が進展しています(レーザー研究2011年7月号小特集号参照)。一方で、ナノフォト二クスやスーパーコンティニュアム光源などの新たな光学デバイスにおける不安定ダイナミクスの解明は行われておらず、レーザー制御の観点からも潜在的なニーズが大いにあると予測されます。さらには、半世紀に渡りレーザーにおける不安定現象の知識の蓄積があるものの、カオスやノイズの差異といった非線形力学理論に基づくカオス性の定義もいまだ不十分な側面があります。


  1. 箇条書き項目 本委員会の目的

以上の状況を鑑み、以下の3つの目標を掲げ、レーザーとカオス・ノイズ・ダイナミクスの新しい展開および応用可能性について、自由な議論の場を設けることを本委員会の目的とする。

①レーザーとカオス・ノイズ・ダイナミクスを組合わせた、新たな工学的応用の探索

②新たな光学デバイスにおける不安定ダイナミクスの解明と制御

③レーザーにおけるカオス・ノイズ・ダイナミクス現象の学術的知見の蓄積



  1. 箇条書き項目「レーザーのカオス・ノイズダイナミクスとその応用」世話人

        桒島 史欣(福井工業大学,主査), 和田 健司(大阪府立大学, 副主査),

        梅野 健(京都大学, 幹事),礒島 隆史(理化学研究所 基幹研究所, 幹事),

        大坪 順次(静岡大学), 内田 淳史(埼玉大学),佐々木 和可緒(同志社大学),

        吉村 和之(鳥取大学), 砂田 哲(金沢大学),

        石場 義久(山本光学株式会社 ビジョンケア・光研究所), 佐藤 譲(北海道大学),

        犬伏 正信(NTT コミュニケーション科学基礎研究所), 大久保 友雅(東京工科大学),

        南出 泰亜(理化学研究所), 佐藤 篤(東北工業大学), 宇野 和行(山梨大学),

  岩崎 淳(福岡工業大学), 海老澤 賢史(新潟工科大学)

 
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